相手の全てを受け入れるのは、私にとってとても難しいことである
同時に私の全てを受け入れてもらうのも、とても難しいことである
大人になるにつれて、他人との間に無意識に壁を作るようになった
だからいつまで経っても相手を理解しようとしないし、自分も理解されない
その壁をぶち破るには強靭な精神力と膨大なエネルギーを必要とする
見えない壁を見ないふりをして人と関わるのが、実際一番楽なのだ
そうやって孤独は始まっていく
『恋に落ちる36の質問』
1.この世界の誰でもディナーに来てくれるなら誰を誘いますか?
これはその壁を取り除く一つの方法になるかもしれない
そう思ってから私は一緒にこれをやってくれる友人を探した、心の中で
しかし”壁をぶち破るには強靭な精神力と膨大なエネルギーを必要とする”のでいつまで経っても誰にするか定まらず、結局彼とやってみた
3年半も付き合っていれば、彼のことは大体知っている、と思っていた
そうやってマンネリしていく私たちの関係は、またもや見えない壁を形成しているようだった
簡単に見える36の質問も、真剣に向き合ってみるとやっぱりエネルギーを消耗する
自分の恥ずかしかった経験や誰にも言ったことのない夢、そして考えたこともないような突拍子のない質問
相手と向き合いながら自分とも向き合わなくてはいけない
自分の全てをさらけ出さなければいけない
だからやはり誰でもいいというわけにはいかない
すべての友人・知人とこんなことをやっていたらいつか精神病になりそうだ
しかし、強靭な精神力と膨大なエネルギーを費やした結果はいつだって良いものである
彼のことならなんでも知ってるなんて思っていたけれど、ほとんどの質問において知らないことばかり
3年間真剣に向き合って来た彼とでさえ、本当は見えない壁を設けていたのだ
その壁が薄くなっていくのは、誰かと関係を進めていく上で一番の喜びかもしれない
「ある瞬間に友人とあった」という阿川佐和子のエッセイを読んでポンと膝を打った
「みえた」か「あった」か忘れてしまったが、要はある瞬間にその友人と心が繋がったということだ
そう彼でも友人でも誰とでも「あ、今心が通じたな」という瞬間がある
それはいつまでも続かない、次会った時にはそれは感じない
でも本当にある瞬間にそれがあって、その度に心に刻まれていく
この質問は、それを意識的に作ってくれる
いつもは無作為に現れるそれを、私とあなたで意識的に作って仲を深めましょうということである
最初にも言ったがそれには強靭な精神力と膨大なエネルギーが必要だからいつもはできない
が、もしこの実験に興味を持ち私のヤミの部分も受け入れてくれる人がいたならばぜひその人ともやってみたい
ちなみに私たちはこのサイトを見ながらやってみました↓