一生もののロマン

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一生、同じものを使うのはどんなに大変なことだろう

そしてどんなに素敵なことだろう

 

さて、部屋を見回して10年前から持ち続けているものなどあるか

いや、ない

青春は思い出深い品とともに消えていく

頭にその片鱗だけでも残っていればいい方だ

 

今、私を埋め尽くすこの部屋のものが10年後も変わらずあり続けるだろうか

 

 

イタリアで革に出会った

一生ものといえば、革である

何も決めずに日本を飛び立ち、フィレンツェに着く直前に「革だっ!」と決めた

それから革を探して生きている

 

その革は、これから先の私の人生を一緒に歩む革

あの日から今日まで、そして死ぬその間際まで

 

フィレンツェでは鞄を買った

直前に決めた割にはとても素敵な買い物だった

イメディチというフィレンツェ発祥の革ブランド

その土地でしか出会えない、その土地のもの

フィレンツェの文化を全て纏ったその鞄

手に取った瞬間、手に染み込むようなあの肌触り

それは運命のようだった

 

それから私は靴を買った

革の靴

お金のない私は中古でその靴を買って、雨漏りがするたびに直して履いている

学生にしては、あまりにも似合わないフェラガモの靴だから

似合う年齢になるまで履き続けよう

(フェラガモなんて田舎育ちの私は買うまで知らなかったが、都会育ちの友人は見た瞬間に「それ、フェラガモっ」と言い当てた。憧れの都会っ子にはまだまだなれない)

 

それから私はあの鞄と同じブランドの革のボストンバッグを買った

一泊分に丁度いいサイズ

これを持ってどこへでも旅に出よう

旅の思い出を全てこの鞄が吸ってくれますように

 

そして最近、革の財布を買った

2年前から目をつけていたダコタの財布

財布はさすがに一生同じものを持つわけにはいかない

だからせめて20代はこの財布で乗り切ろう

きっと悲しいことも辛いこともあるけれど

この財布はそれらも全て纏って年を増すごとにしなやかに、艶やかに

 

一生同じものを持ち続けることはきっと難しい

引越しをするたびに消えてゆく思い出の数々

あんなに大事にしていたぬいぐるみ、ハンカチ、ブックカバーは今何処

だから意識して持ち続けなければ

 

革は連れ添うごとに魅力が増してゆく

私の人生を映して、嬉しいことも辛いことも受け入れ輝いていく

次に探すのは時計

もう狙いは定めている

あとは「今だっ」と思えるタイミングを待つのみ

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