サンタを信じて

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この10年、サンタはいないと思っていた

 

私は多分、他の人よりも長くサンタを信じていた

小学校6年生のイブまで「サンタは本当にいるんだ」と信じて疑わなかった

仕事から帰宅した母のバッグを覗くまでは、遠いフィンランドかどこかからトナカイ走らせ、鈴の音鳴らし、ホっホっホっと笑った後に私の枕元にプレゼントを置いてくれる者がいると信じていた

 

翌日母のバッグの中にあったものと同じものが枕元に置かれていても

私は毎年しているように喜んでみせた

サンタはいないということがどれほどショックだったか

しかしプレゼントをもらえることの方が嬉しかったのかもしれない

 

昔、両親はサンタの手伝いをしているという絵本を読んだ

それこそ本当に信じなかったが、その時ばかりは母はサンタから頼まれてこのプレゼントを預かっているんだと信じたかった

 

サンタがいないということを知るのは、子供から青年になる瞬間といっても過言ではない

あの朝、何も知らないように振舞ってプレゼントを喜んだその瞬間から青年になり始めたのだ

 

あれから10年間、クリスマスには「サンタはいない」という現実と向き合ってきた

それまでの12年間の美しい失われた子供時代がより一層懐かしく、無邪気で残酷に思えた

 

しかし最近は「サンタはいるんじゃないか」と思っている

10年間グレたからそろそろ信じる心を取り戻しても良い頃だろう

 

さすがに、赤い服を着たヒゲのおじいちゃんがトナカイのソリに乗って夜な夜な子供たちの枕元にプレゼントを置いているとは思わないが、サンタはいると信じたい

サンタが幻でも、多くの親がそれを現実にしているということを忘れてはいけなかった

私たちの中にサンタがいて、クリスマスには愛する人にプレゼントを贈るという本質的な部分を見落として、幻のサンタの消失に嘆き続けた10年間を今恥じている

 

もはや親がサンタでなくても良いということになった

私が私のサンタになればいいので、自分でプレゼントを用意する

サンタを信じて、サンタに裏切られて、そしてまた信じる

 

子供から少女へ、そして大人になった今年の私は静かに家族とクリスマスを楽しむのだ

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