高慢と偏見

少女漫画や恋愛小説というジャンルは、今までの人生で一応通ってきたが、本当にかじる程度であった

 

中学生の頃、周りの友達が携帯小説(って言うのかな)にはまっていて、一度貸してもらったことがある

読んだときは、男女の純愛に涙したものだ

しかし特にはハマらなかった

 

ストーリーがいつも似通っているので、大抵先が読めてしまうのがこれらの小説に対する偏見である

そしてそういった小説を読み続ける人を見下している高慢な私がいた

 

小説100冊チャレンジも30冊を超え、そろそろむつかしそうな文学に手を出さなければならなくなった

そこで選んだのが、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』である

しかし、それだけだと怖かったので絶対安心な『クリスマス・キャロル』も一緒に借りた

 

案の定『クリスマス・キャロル』を先に読み終えた私は、二冊に分かれているそれに手を出すのに3日かかった

なぜこんなにも、この小説を怖がるのだろうか

 

それは題名のせいかもしれぬ

あながち間違いでもなさそうなこの私の推察は、読み終わった後も続いている

これが『ペムバリーの花嫁』とか『ベネット家の混乱』とかもっと親しみやすいタイトルだったら、すぐに手にとっていただろう

しかしだからと言ってこのタイトルであるがゆえに、この小説が多くの人に読まれ世界で愛されているのも事実なのだ

この小説の根幹は、紛れもなく”高慢な男”と”偏見を持つ女”の関わり合いであるので、このタイトルが何よりもそれに合っているのは認めざるを得ない

 

私はこの小説は「絶対に難しい」と言う偏見の元にページをめくっていった

それは読み終えた今ならば間違っていると言えるが、読んでいる最中はかなり当たっていると考えていた

 

まず、ストーリーとしてはごくごく普通の恋愛ものである

先に話した恋愛小説を彷彿とさせる(というかこの小説らを元にそういった小説が書かれているのであろうが)

忌み嫌いあっていた二人の男女が、幾多の衝突を挟みながら最後は結ばれるという典型的なパターンである

これに当時のイギリスの階級云々、家族や近所のゴタゴタ云々が混ぜ込み混ぜ込みという感じだ

なので、読んだ後の感想としては「思っていたよりも読みやすかった」である

 

しかし、読んでいる間中私を悩ませたのは、各人の名称の多さであった

登場人物は10人くらいを覚えればいいのであるが、問題はその10人にそれぞれ3、4個の名称が使われるので、どれが誰を指しているのかが時々わからなくなる

図書館の返却期限を気にして、眠たい夜に読もうものなら、その一文は全く頭に入らず、文字が手のひらからこぼれていくような感覚がするのだ

 

例えば、主人公エリザベスにはジェーンという姉がいる

ジェーン一人に対して「ジェーン」「姉」「ベネット嬢」「ビングリー夫人」「彼女」という名称が使い分けられる

それはいいのだが、たまにこういった難しい文章が現れる

「エリザベスは姉を心配したが、ジェーンの性格上それは致し方ないことで、世間からはビングリー氏とベネット嬢の婚約はないものと考えていたが、彼女はそれをエリザベスに心配させまいと表にはついぞ出さなかった」

(この文章はイメージです。実際にはありません)

この一文で、ジェーンを表す名称は4つも使われているわけで、全ての名称が彼女を指していることに気がつかないと、てんで何をいっているのかわからなくなるのである

この文章を「ジェーン」だけで構成させると

「エリザベスは”ジェーン”を心配したが、”ジェーン”の性格上それは致し方ないことで、世間からはビングリー氏と”ジェーン”の婚約はないものと考えていたが、”ジェーン”はそれをエリザベスに心配させまいと表にはついぞ出さなかった」

となり、混乱は免れる

(だからと言っていい文章になったというわけではない。読み応えは無くなってしまった。)

 

もう一つむつかしいのは、女性の登場人物が多いのに代名詞の「彼女」が多用されることである

5人くらいの女性が集まっている場面で「彼女」と出てきたら、どの女性かわからなくなる

これは国語の問題を彷彿とさせる

「彼女」に下線部が引いてあって【これが誰を指すのか答えなさい】と問われるあれである

とにかく文脈から「彼女」が誰を指しているのかいちいち考えなければならない

一文の中に「彼女」が二度出てきても、同じ人物を指しているとは限らない

これには本当に手こずってしまった

国語が得意であれば、スラスラと読めるのかもしれないが

国語を得意としたことのない私では、何度も文章を行ったり来たりしてやっと正解にたどり着くという始末であった

 

この二点は、読んでいる間中私を悩ませ困らせ、何度もページをめくる手を止めたものたちであった

他にも色々と難解な部分があったが、もう私はそれには囚われないことにした

 

『高慢と偏見』、むつかしいと頭からかかっていたが案外好きだったというお話

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